MSCについて
MSCとは間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell)の略称です。
MSCは成体幹細胞の一つで、人の骨髄、脂肪、臍帯、滑膜(関節の周囲にある組織)などに含まれています。
また、骨、軟骨、腱、脂肪、神経などへ分化する能力を持っています。
この能力のため、MSCの移植によって治療できる病気の数や患者さんの数は
とても多いのではないかと期待されています。
MSCは成人の体の中に存在する幹細胞であるため、胚を使用する胚性幹細胞(以下、ES細胞)に比べ生命倫理上のハードルが低いというメリットがあります。
また、iPS細胞との比較では、がん化リスクが低いため安全性が高いというメリットもあります。
しかし、MSCは骨髄の細胞の中に1万~10万個に1個というわずかな割合しか存在せず、
さらに加齢と共に減少していきます。そのため、移植に必要な量のMSCを取り出すためには、大量の骨髄液の採取が必要でした。
また、MSCの増殖能や多分化能は、培養中に低下しやすく、従来のヒトやウシ由来の血清を用いた培養法では治療に必要な細胞数の確保が困難でした。
そこで、当社は、MSCの分化能を維持したまま増殖性を飛躍的に上げる培養方法(間葉系幹細胞用無血清培地STK® シリーズの使用)を開発しました。
このように、当社では「MSCを用いた再生医療」の実現および普及を目指して、
様々な研究開発を続けています。